松尾司法書士事務所 ~相続~

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相続は遺す方にも遺される方にも重大な人生の節目です。松尾事務所は岐阜市を中心に相続全般をお手伝いします。

遺言を遺すべき場合

 「遺言は自分の考えをまとめるために作成する」と気楽に考えていただいてもよいのですが、
以下のような場合は、積極的に遺言を活用するべきではないでしょうか。 

  • 親族の中に不仲の者がいる。
  • 墓・仏壇など(祭祀承継物)を継がせる必要がある。
  • 介護をしてもらう妻・夫・長男の妻・などに遺産を多く遺したい。
  • 障碍者や未成年者を養育している。
  • 遺される妻や夫が心配である。
  • 事業(稼業)を継がせる必要がある。
  • 農業を継がせる必要がある。
  • 遺言で認知したい子供がある。
  • 暴力的な親族に相続させたくない。
  • 不動産など現物では分けにくい財産がある。
  • 遺産が多い

遺言の方式

自筆証書遺言 《自筆証書遺言

 全文・日付をすべて自署し、署名押印するだけで遺言としての効果が発生するので、自分の気持ちや考えを確かめ整理するためだけに作成してもよいでしょう。
 ただし、法律的に有効な文言になっているかなどは、判例の多い分野でもあり司法書士など専門家との相談を経るべきでしょう。
 また、検認が必要になるなど、相続人の負担となる手続きも経なくてはなりません。

 
※ 遺言の存在が誰にも知られないようでは遺言を遺す意味がなくなります。遺言により不利になる人は遺言を隠す方向に動機が働く可能性があります。
 預けるなら遺言により利益を得る人(受遺者や相続分が増える人)に預けておくなどする必要がありますが、事情が変わり遺言を作り変えた場合などは、後に作成した遺言が有効になるために遺言の前後を巡って紛争になる場合があるので日付が重要な要素になります。
公正証書遺言 《公正証書遺言

 法律専門家である公証人により公正証書として作成される遺言で、遺産総額により変わる公証人に対する費用も発生しますが、自分の希望を公証人が法的に効力を持つ文言にするので証拠としての価値が高く相続発生後に争いになる可能性が低くなります。
 また、相続人のよる検認の手続きは不要です。
(司法書士に対する相談を経て、公正証書遺言を作成する場合があります。この場合は、遺言者の希望を正確に反映し登記などの支障が無いように司法書士が法的な手段や文言を助言し、公証人との摺合せを行います)

※  公正証書遺言は、原本が公証役場に保管されますが、相続が発生したとき公証役場が「遺言がある」と連絡してくれるわけではありません。公正証書遺言の正本か謄本を、登記を行う司法書士などに預けておくべきでしょう。
秘密証書遺言 《秘密証書遺言

 公証人が「確かに遺言者により作成された遺言である」ことを証明する遺言です。全文を自筆する必要はありませんし、公証人に対する費用は定額です。遺言の内容を秘密にすることはできますが、公証人は遺言内容に関知しませんので、守秘義務のある司法書士などに希望を伝え法的に有効な文言にする必要があります。

※  秘密証書遺言も、信頼できるものに託しておく必要があります。
※  定額なので遺言を作り直しやすく、自筆する必要はありません。パソコンで作成しプリントアウトしたものでも良いのです。また相続人に向けた映像ソフトなどを一緒に封入することもできます

遺言執行者

 遺言において遺言執行者を定めておくと、相続人が「遺言の内容が気に入らない」と勝手に財産の処分を行うことを制限することができます。
 遺言で、婚外子を認知する場合・遺言者を侮辱するような遺留分を持つ相続人を廃除したい場合・この廃除を取り消したい場合は、遺言執行者を定めておく必要があります。
 また、不動産を遺贈する場合などは、遺言執行者を選任しておくと登記などの手続きの祭に相続分が減る相続人の協力を得る必要がありません。
 したがって、遺言の内容に不満を持つ可能性のある親族がいる場合、認知・廃除・廃除の取消を行う場合、遺贈を行う場合、などは遺言の中で遺言執行者を定めておくべきです。

遺贈と死因贈与

遺贈 遺贈
  •  相続人だけでなく全くの第三者に遺言者の財産を処分することです。一方的に遺言に書いておくことにより可能となりますが、遺贈を受ける側は、遺贈を承認または放棄することができます。
  •  遺贈には「包括遺贈(遺産中の指定された割合を相続人の持つ相続分と同じように持ち、遺産分割協議を行う必要がある)」と「特定遺贈(遺産の中の特定の財産を遺贈する)」があります。
  •  包括遺贈は、遺贈を受けた人が相続人ではない場合であっても被相続人(遺言者)の債務を負担することがあります。
死因贈与 死因贈与
  •  遺贈に似た制度ですが、こちらは生前に「亡くなった時」に財産を贈与することを、贈与を受ける側と契約しておくものです。
  •  遺言の方式に関する法律は適用されず、生前に公正証書などで贈与契約を取り交わしておきます。
     不動産に関する死因贈与契約の場合は、効力を確実なものにするために「仮登記」を行う方法があります。
  •  この仮登記を贈与者が亡くなったとして本登記にする祭、贈与者の相続人全員の協力が必要になります。自己の相続分を死因贈与により侵害される相続人が本登記への協力を拒む場合に備えて死因贈与契約の執行者を定めておくことが推奨されています。
  •   
税金 税金

 死因贈与も相続税法上は「遺贈」と同じ扱いになるため、遺贈・死因贈与とも法定の相続人でないものが対象である場合は、通常の相続税の1・2倍の相続税となります。
 なお、不動産を遺贈・死因贈与の対象とする場合の登録免許税は、
不動産の固定資産税評価額の20/1000ですが、
相続人へ遺贈する場合のみ相続による登記と同じ4/1000になります。

遺贈と死因贈与 どちらを選択すべきか どちらを選択すべきか

 通常は遺言を使い登録免許税も相続人相手なら低額になる遺贈を行います。
 死因贈与を選択する場合は、生前に受取人の贈与を受け取る意思をはっきりさせておきたい場合や、贈与を受ける側が、仮登記により自己の権利をはっきり表示しておきたい場合などに限られます。

遺留分

遺留分とは 遺留分とは

 遺留分とは被相続人の配偶者、直系卑属、直系尊属が持つ最低限の遺産に対する割合のことです。
 したがって、兄弟姉妹が相続人である場合は遺留分がありません。
 被相続人の配偶者と直系卑属が遺留分権利者である場合は全遺産の1/2が遺留分でありこれに各相続人の法定相続分(割合)を乗じて各相続人の遺留分を計算します。(妻が遺留分権利者である場合は、遺留分の割合1/2×妻の法定存続分1/2=1/4が妻の遺留分になります。なお直系尊属のみが遺留分権利者である場合の遺留分の割合は1/3です。)

遺留分減殺の基礎となる財産 遺留分減殺の基礎となる財産

 ただし、この1/2と1/3の分母となる遺産は、被相続人が死亡の時に有していた財産ではなく、これに「相続の開始前1年以内にされた生前贈与の価額」、と「遺留分を持つ遺留分権利者に損害を加えることを贈与者も受贈者も知ったうえで行った贈与で相続開始1年前以前の贈与の価額」を加えたものから被相続人の債務を控除したものです。

遺留分を侵害された相続人の立場から・・・遺留分減殺 遺留分を侵害された相続人の立場から・・・遺留分減殺

 例えば、父親が「長男のみに遺産の全てを相続させる。」という遺言を遺した場合、遺された母親及び弟姉妹の遺留分は侵害されていることになります。しかし、「遺留分をよこせ」という主張、すなわち遺留分減殺請求権の行使を行わなければ遺留分は、相続開始から1年で時効消滅します。
 したがって、「いつ減殺請求をしたか?」が重要になり、通常「遺留分減殺級」は内容証明郵便で行います。
 この「遺留分減殺の意思表示」は内容証明郵便による一方的なものでよく、これにより法律で定められた割合の遺留分が権利を主張した遺留分権利者に帰属することになります。
 ただ、不動産に代表される不可分物についてはこの割合で遺産共有の状態になるので遺産分割の手続きを行い、共有関係を解消して行きます。

被相続人の立場から・・・遺留分減殺をされないために 被相続人の立場から・・・遺留分減殺をされないために
  

 遺産を特定の相続人に遺したいが、不満のある相続人から遺留分減殺をされそうだ・・・
 という場合、遺言により「遺留分減殺方法の指定」を行うのも対処方法のひとつです。
 これは、遺言で遺留分権利者の減殺方法を被相続人の側で指定してしまうもので、例えば、家業を特定の相続人に継がせるために全ての遺産を相続させる遺言を遺した結果、他の子供からの遺留分減殺があった場合には家業に必要な不動産などではなく、預貯金から減殺するように指定したり、減殺請求を受ける者に順位をつけ指定することができます。

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