†  Diary - 2003/04 -  †

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04 月 01 日(Tuesday)
 先日の暖かさで桜の花ががいっせいに開きました。まだ満開とまでは言わ

ないものの見事なもの。明日の雨がそれを誘うことでしょう。 春から初夏に

向かい、福寿草、梅やかたくりに桜と・・・日に日に見える楽しみがあるからい

い。まだ28とゆう年なのにこんなじじくさいこと。もちろんめんとむかって友達

には言えない。70の父の影響かな? とにかくこの最近の陽気で鵜もほぼ羽

が生え変わったんだが、これからは天気の移り変わりで鵜の体調もくずしや

すいので気をつけねば。


04 月 02 日(Wednesday)
 今日は雨が降り、少し肌寒い日です。鵜の体の表面に細かな雫が無数

に着いている。羽ののりがいい証拠だ。10日に鵜の健診を控えていそが

しくなる。


04 月 03 日(Thursday)
 今年の初めに隣のカネモのじいさまの弟にあたる清高さんに腰蓑を作るわ

らを分けてもらったのだが、今日母屋を掃除してたらその残りを見つけた。

妻に息子の腰蓑をでかしてと以前言われたのを思い出し、夕方から作りはじ

めることに。お古を短く切ってしまえば簡単だが、それをすると穂先がな

くなり、ハワイのフラダンサーになってしまうので、面倒だが作ることにした。

先代も少し手伝ってくれたが腰が痛いので少しやってやめる。(ありがとさん)

・・・・夜の10時。    あと少しだが明日に。

 父親としては、息子に対して早からそんなかっこうをさせるのは酷に思える

のだが考えすぎだろうか・・・。
 



04 月 04 日(Friday)
 今日は昼過ぎから雨が降るそうなので鵜を早めにしまうことにした。歯医者

に行ったり子供の相手をしたり、と忙しく腰蓑作れず。

 7日に裏の新館で着物の展示会が開かれる(京都の呉服屋)。 それまで

桜よ散ってくれるな。


04 月 05 日(Saturday)
 しとしととよく降る雨に、どうだんのつぼみが開き始めました。鮮やかに浮

かび上がった緑の杉苔のじゅうたんに桜をちらほらと川風が運ぶ。

 お客さんも相次いでみえる。始めにいらしたのは父の陶芸の先生の一人

である故中野先生に教わったという縁のある方。予約にみえたのだが、 鵜

の姿に見とれていたので餌を与えるのをお見せすると、羽を広げる様子を

目にしてさらに感動された。後ほどいらした獣医師会の方達(去年の地区

会合でみえて話をした方達)も鵜の婚姻色に見入る。庭にも深く興味を持

たれ、「みつまた」や「さんしい」、「かたくり」など山野草の美しさにお互い

話を咲かせた。 

 この時期は鵜の発色に始まり、次々と咲く春の花に訪れた方が喜ばれ、

こちらも大変気持ちが良い。

 P.S 河合さんをはじめに寺尾さん、ヨッシー、色々と助けてもらって
     ありがとうございます! またよろしく。


04 月 06 日(Sunday)
 今日も朝から忙しく、鳥屋の掃除をしてから鵜のくちばしの手入れと羽きり

をした。とても風の強い一日だったので桜の花びらが庭一面に広がり、父に

「鵜の羽の生え変わりが終わったと思ったら、これからは桜の始末・・・・・。

次はどうだんだね。」と、二人で苦笑。その一瞬をめでるひと時のためには

どれだけの仕事があることやら。鵜飼や子育てなどもにたところがあるよな

ないような・・・苦痛と思ったら終わりだわな。




04 月 07 日(Monday)
 朝から晴天に恵まれた。展示会におこしのお客様も庭や川の桜に見入っ

ておられた。昼間たまたま通りがかった2人のお客さんが、白川に行かれる

ということで道を尋ねられた。居合わせた息子にお菓子を頂いてしまった。

中へお通しすると鵜匠の家とは知らず驚いておられた。お茶を御出ししてか

ら他のお客様と一緒に鵜に餌を与えるのをお見せした後、一緒に写真をとり

帰られた。京都の呉服屋さんも良い日に恵まれたと喜んで一日を終える。

 夕日に映える桜をしばらくながめ家に入る。


04 月 08 日(Tuesday)
 雨と風のとても強い日で一時台風かと思えるくらいだった。夕方少しだけ

晴れ間がのぞいて桜のじゅうたんの上で写真をとったが、すぐに雲行きが

怪しくなり再び雷雨に。川は3mほど増水し、おかげで夜通し船の番だ。


04 月 09 日(Wednesday)
 昨日の思わぬ雨に睡眠不足。ま、おかげで川も少しはきれいになって、鮎

も機嫌よくのぼってくれるかな。

 明日に鵜の健診を控えて、今日は普段あまりできないところまで掃除をし

たので3、4時間かかり、途中、写真家の古田さんがひさしぶりにみえ、一緒

にお茶で一服しました。「今年はかわせみの写真ががなかなか撮れない」と

嘆いておられた。二、三年前だったか。氏と父が河原に建てたテントに居合

わせしばらく待っていると、すぐ目の前の枝にみたこともない美しい鳥が飛ん

できた。やませみだった。僕は初めてみる鳥で、その存在感に圧倒されたが

2人はそれ以上に興奮していた。そのことを思い出すと、写真を撮る難しさを

少しわかる。技術はもちろんのこと、時間、気象条件、タイミング・・・・。




04 月 10 日(Thursday)
 今日は鵜の健診の日。早速始まると家畜保健所の先生方が 「きれいな艶

してますね。」と言ってくださいました。次々と鵜に予防接種をうち、血液検査

も少し行いました。途中、1人の先生が十一郎を近くにつれてみえた。不思議

そうに見てたが、「お前も先生にやってもらうかい?」と、言ったとたんに逃げ

ていった。終わってから、池の鵜を見ながら皆さんとしばらく談話・・・。



04 月 11 日(Friday)
 どうだんのつぼみが青白くふくらみかけ、それを促すように昼から雨が降

り始めた。鵜を鳥屋の軒下に追いやっていると、長良の鵜匠さんが新任の

御料場係の方をお連れし、父に挨拶と紹介をしにみえた。(父は昨年より

鵜匠を退き、宮内庁より小瀬の御料場係に任命される。) お若い方でした

が、腰の低い立派な方でした。 一時間程後には宮内庁の方からも人事

の移動の御連絡と御挨拶をお受けする。


04 月 12 日(Saturday)
 今日は鵜の世話が終わり夕方になってから、岐阜の写真家の古田さん方

へ鵜の写真を借りにでかける。嫁さんも子供に服を作る為の生地が欲しいと

言うので2人も連れて出掛けることに。工事も大方終わり、新たなバイパスや

鵜飼大橋などもついでに通ってみる。なるほど鵜飼の妨げにならないように

照明が橋の側面に内側に向かって付けてある。鵜飼関係者や周辺の旅館

の方に配慮したものでしょうか、よく造られていました。無いにこしたことはな

いのでしょうが・・・。昔の人はよく言います。川の中にたとえわずかでも流れ

を止めるものを造れば、下の流れや地形が大きく歪むと。もちろん自然の営

みや台風などの水害で激しく変わることはあっても、歪みはしない・・・と。

 
 夜、寝床から嫁さんの叫び声があがった。なんちゅう声をだすんやと急い

でかけつけると、20センチはあろうか・・・あらけない大きさのムカデだった。

まだ梅雨にもはいっていないというのに、連日の雨ででてきたようだ。早めに

薬をまいておこっと。何度もあたりを見回して寝入る。


04 月 13 日(Sunday)
 今日は暖かいというよりも少し汗ばむ陽気だった。明日は取材があるという

ので父と嫁さんに手伝ってもらい、一日中念入りに掃除をしました。庭苔の

上に散った桜はどうしようかと、ひどい所だけ竹ボウキで掃き始めるものの

次から次へと降ってくる有様。あほらしくなって他の掃除をする。僕が鵜の方

でも忙しく手が回らん所をあれやこれやと嫁さんにやってもらうが、言った通

りにやってくれんから 『もお、やらんでええ』 と言うとむきになって一生懸命

やってくれなすった。

 朝から布団干して、子供の世話して、旦那の世話して飯作ってと・・嫁さんも

大変だ。 おおきに。


04 月 14 日(Monday)
 今日は長良川鉄道の旅ということで雑誌の取材をうけました。フリーカメラ

マンの河合さんという方が1時半にみえまして、お互い自己紹介も後にして

さっそく鵜の写真を撮ってもらう。と、言うのも鵜が餌を待ちきれなくさわがし

いからで、午前中、急に2,3人写真を撮りたいと言う人達がみえてもお断り

して鵜を待たせておいたのです。『う、うお−』と、写真を撮るたびににこにこ

して興奮して、面白いひとでした。よほど鵜に魅入られたのか、『なんか、鳥

というより1羽1羽すごい存在感があって気高い雰囲気がします。』  庭、母

屋と撮影し、料理の鮎雑炊を撮った後それをぺろりと平らげると、鵜見なが

ら談笑し、また鵜の写真・・・。最後に 『また近いうちに撮りにきます』  見送

る際、荷物を入れ車に乗ったかと思うとまたカメラを取り出し走ってきて1枚。

『この外観もいいね』・・・そして帰られた。変わった方だったが、感じのいい

面白い、大阪なまりの東京からの訪問者だった。


04 月 15 日(Tuesday)
 庭のどうだんが咲き誇る。

 蜂が飛ぶ。

 苔を起こすとカエルも跳ぶ。

 子供も真似して跳んだ。

 鵜は池の水で大羽を打つ。

 


04 月 16 日(Wednesday)
 朝起きて子供の顔を見てびっくり!目の上を虫に刺されてお岩さんの様

になってました。鉢前にはもうボウフラもわいてたし蚊のシーズン到来か?

そういえばまたメダカをいただかないといけない。というのも去年知り合いの

人にメダカを分けてもらい、ボウフラ退治に一役かってたんです。しかしなが

ら産卵して増えたのを見届けたにもかかわらず、秋には1匹に・・・。鉢の掃除

をしてみると中にはまるまる肥えたヤゴも1匹。歌のようにそーっとのぞいて

みては楽しんでいたのだが、隠れてあまり見えないのかなと思ってたら実は

食べられていたという経緯です。

 鵜の世話をした後、鵜飼開きに迫り昼前から役員会合の為出掛けまして

鵜に餌をやりに帰ってみますとなにやら騒がしい様子。子連れのお客人が

餌をやるのを見たいと私が帰るのを待ってらした様でさっそく用意・・・・・と。

あれ?少ない。ん???餌箱の魚が半分しかないんです。あわてて父に聞く

と、めずらしくカラスが何度も降りたっていたという。ふたがはずれているのを

見逃さず、人の気配がないかそーっとのぞいては持ち帰ること実に4`。

ヤゴもカラスも、生きるためには僕の気持ちなんぞ知ったことないっか・・・。




04 月 17 日(Thursday)
 今日は鵜の掃除が終わり次第、午前中2時間ほど嫁さんと子供を連れて

長良川鉄道に乗って散策。本当は郡上の方まで行きたかったけど、帰って

から仕事があるので美濃市までにしました。驚いた事に駅長さんは近所の

若いおばさん。そういえば・・・と思い出しながら鉄道周辺のパンフレットを頂

き、面白いことをきく。この美濃市の切符だけが昔ながらの『硬券』らしい。

どろぼうに切符販売機を壊されやむなく販売しているらしいが、これが収集

家の方には貴重なようでわざわざ買いにみえるようです。

 昼過ぎに帰宅。鵜飼開幕せまり鵜を馴らす。手縄をつけて餌を捕らせるが

4割程の鵜は荒びてしまう。久しぶりなので仕方がないが、なにより1人で

鵜を縛るのには24羽もいるので時間がかかってしまう。だから父とホーム

センターへ行き、訓練用の簡単に縛れるのを作る為に金具を探す。母屋の

軒下で、明日使えるように作っていると 『ごはんですよ〜』 の声。丁度仕

上がりふっと頭を上げると、庭のどうだんの花は夕日の色に美しく染まって

いた。 『早く〜(怒)』 はいはいっ・・・・・。



04 月 18 日(Friday)
 4月にしてなんて暑い日だったろうか。26,7度あったそうだ。この天気に

昼は中庭の小屋で昼飯を食べることにしました。鵜もこの暑さにはじっとして

いられず、盛んに羽を打ちつけては水しぶきをあげていた。食後、裏の河原

に出てみると稚鮎の放流がされていたので1匹分けてもらい、氏神様にお供

えをして今年の豊漁を願う。風がでてきて涼しくなると昨日でかした手縄で鵜

を縛ってみるが、金具がぶらぶらしてやりにくくて結局普通に縛ったほうが早

かった。とりあえず24羽全部、そのやり方で通したがもう二度とやるまいて。

失敗もやってみないと解らんが、やっはり昔からのやり方は基本だわな。

 


04 月 19 日(Saturday)
 今日明日は関祭りの日で、朝からどーんどーんと号砲が鳴った。息子は初

のおみこしをつることに、といってもみこしのひもを持って町内を歩くだけだが

問題は雨でした。天気予報では今日の昼頃から明日にかけて雨ということで

昼の12時から行うと連絡がありました。、鵜部屋の掃除を早めに済ませると

嫁さんが息子にはっぴを着せてよこしたので、一足先に小瀬のまわりを肩車

し2人で練り歩く。、祭りの間は雨も降らず本当に良かった。何より子供達が

楽しみにしていた行事でしたからね。息子も祭りの間中喜び、大きな声で『ワ

ッショイ、ワッショイ』。小学生のお兄ちゃんやお姉ちゃんにも大変かわいがっ

てもらい、息子が疲れるとおんぶしてくれたり手を引いてくれたりと・・・小さい

けれどもしっかりしている。うれしい光景でした。僕も酒を頂き少々酔っ払いも

したが、雨が降ってきたので鵜の世話に戻る。夜は2人を連れて街中の大き

な電飾神輿を見に行く。最近は祭りも子供が減って寂しくなったと聞いていた

がいやいや、なかなかの盛り上がりでした。楽しい一日でした。







04 月 20 日(Sunday)
 今日は子供と嫁さんを福井の実家に連れて行く予定だったが、昨晩から雨

が降り続いており、船の番をしないといけないので福井のお父さんと妹さんに

迎えにきて頂くことになり大変申し訳なかった。これから少しの間さみしいが

お父ちゃんは鵜飼の準備に頑張ります。


04 月 21 日(Monday)
 母が漬物のたくわんの塩が薄かったと言い、木樽の米ぬかに塩を入れる

為に重石を持ち上げてやったが、このにおいがずっと鼻につく。夕方から山

へ竹の子掘りに母と出掛けるも、軽トラックの中は母の前掛けに付いた臭い

が充満した。おかげで鼻が利かず6本しか取れなかった。

 夜、パソコンをいじっているとズボンのポッケの所に蜂に刺されたような痛

み。直後に激痛が襲った。急いでパンツ1丁になってズボンを見つめている

と15cmはあるムカデ。近くにあったアイロンでつぶしました。応急措置は・・

『昔は何もなかったでムカデにかまれた時はぐっとつまんで歯くそをつけて

アロエをどうたらこうたら・・・』たまたま3週間前にカネモのばあさまに聞いた

昔話を思い出してやってみることに。(馬鹿げて思えるが本人は至って本気)

2箇所も刺されていたが驚くことなかれ。4時間経った今では痛みも腫れも

無い。やはり昔の人の知恵は馬鹿にできないと思いました。




04 月 22 日(Tuesday)
 今日は久しぶりに船頭さん達と顔を合わせる。ホテルで船頭総会があり

山田社長より新役員の辞令交付やいくつかの決定事項がだされました。

船頭の自己紹介の徹底や、小瀬鵜飼を奥長良川小瀬鵜飼として広める

ことなど。特に後者については、私がインターネットをしていて気がかりに

なっていたことで思いついたのですが、鵜飼というとどうしても岐阜どまり

で、小瀬の影が薄い。一昔前の本鵜飼までは小瀬の方が鵜匠も船頭も多く

の意味で力があったが観光鵜飼になるにつれ岐阜が中心になってしまった。

結局今や小瀬はどこにあるの・・・。長良川には岐阜の鵜飼しかないと思って

居る方が多い・・・ということで奥長良川です。華やかな時代が終わったバブ

ル以降は静かで情緒のある小瀬の方に、岐阜や名古屋のお客さんが口コミ

でみえるようになったが、規模の関係で大口の客をさばけないにせよ、もっと

他県の人達に見てもらいたい。そんな願いの今日この頃です。


04 月 23 日(Wednesday)
 今年の春はなんて雨が多いのだろう。数日続くらしいが、この雨がぬけると

初夏のにおいがしてくるのかな。雨の中、遠方よりお客人がみえまして、お寺

の住職さんらしく何やら父と話し込んでいる。お茶をお出しした際聞いていま

すと家の杉苔が見事なもので、その手入れのことをあれこれ聞いてなさいま

した。僕も父の庭の手入れを手伝ってはいるがとても大変で、他の木々の剪

定、落ち葉の掃除は毎日数回、雑草も見つけたら・・・・。もちろん、いつ何時

偉いさまが見えるかわからないし、訪れたお客さまも喜ばれるからだけれど

それ以上に『好き』でなければできないて。僕も好きだが、まだそこまででき

ない。


04 月 24 日(Thursday)
 朝から犬が吠えて散歩につれてけとうるさい。昨日も夜中雨が降り続き、

増水のため船のお守で寝不足だった。よほど我慢したのだろうか、もう大

きなものがしてあった。いつもはよっぽど我慢するのに・・・。実は昨日から

昼間も何度と玄関の戸を開けようとしていた。一日で6回も。尋常でない。

理由は夜になって判明しまして、実は来たばかりの大きな餌袋が近くに置

いてあり、たまたま空いていた隙間を見逃さなかったようでした。去年も1回

脱走した時、隣のばあさまが『さっき隣の畑でたらふく柿を食ってたよ』・・・

見つける直前、家横の道に洗面器半分ほど柿がぶちまけてあった。

まだ出たり吐いたり出来るのはいいけど、僕が学生時分にボクシングをやっ

てた頃、試合が終わってから減量の解放で一日に8キロ太ってしまった時は

本当に辛かった。水分はスポンジのように吸収され、胃はまるで北京ダック

の様にはちきれそうで・・・苦しくてねれませんでした。まるで栄養失調のよう

な体で1週間。そう・・・解放されたのは1週間後でした。

 鵜のように 食べたいけれども 8分目  喉に入るは すこしずつ 

・・・と、己に言い聞かせる言葉でした。

 P・S   今夜はすごい嵐でまるで台風のよう。水位もどんどんあがって
      寝れない。


04 月 25 日(Friday)
 やはり今年はおかしい。いくら菜種梅雨といっても川の水が何度と増水し

て水位が上がったまま・・・。三国のじいちゃんが言ってたっけ。『海が悪い

時は川も悪いし、逆も然りや』今年の海は捕れとったもんがとれんらしい。

たしかにニュースでも、変てこなクラゲから始まってボラやらハリセンボン

と人間経済には価値のない生き物の異常な繁殖を伝えてた。小瀬の淵で

もそういやそうだ。川鯉やはえ(はや、もろこの類) が今年はどえらいこと

おった。ただしそれは部分的で、僕の知る限りでは長良川の他の場所では

見受けられない。雑魚も減ってきているがそれに対する天敵のバランスが

不釣り合いで、天敵のいない住み易い所で増やすしかないということだと思

う。ただその天敵というのが少々やっかいで、テレビでお馴染みの川鵜・・・。

飛んで来るから・・・なぁ・・・。

 今日も予約が何件か入っていたけど今年の世相は悪い事ばかり重なり、

鮎も期待できないかもしれん。鮎達よ、頑張って上ってきとくれ。
 


04 月 26 日(Saturday)
 昨晩の夜中2時頃、家中の戸がきしむほどの風とバケツをひっくり返した

ような雨が続いていた。まるで台風。寝間着のまま鵜部屋へ走って横殴りの

雨が降り注ぐ戸を閉め、長良川に浮かべてある船の水をかきだした。水かさ

が少しずつ上がっては来ていたが警報もでてないし少し寝ようとした4時頃、

意識が薄っすらしてきた矢先に『水が出てきたぞー』と父の呼ぶ声。2人でび

しょびしょになって、次第に唸る濁流の長良川を足元にせっせと船を守る準

備。あうつ船の上で水をかきだしている時、波の揺れで川に放り出されそうに

なり一瞬あせった。 知らぬ間に空も白み、水の出も収まりかけたので家の

パソコンで調べてみると、郡上や美並の奥で100mm程降ったようで、データ

からすると峠は越した模様。

 鵜の庭に出ると、むべの花が山のように降り積もっていた。寝れない日と腹

を決め、池の掃除をした。この雨とじめっとした暖かさで、庭の草木から山の

木々まで見渡す限りになんとも言えない若い緑色の葉が吹き出ていた。

ぼけた頭も、りふれっしゅ!

P・S 天気予報の警報と注意報。その間にもう1つあるといいのに、といつも
    
    思う。前者は峠にさしかかった寸前で、後者はあまり心配のない時か     
    もしくはなんで警報じゃないんだ・・・と、思うのは私だけか?



04 月 27 日(Sunday)
 しかし、暑い。にもかかわらず父が松の木の芽摘みを始めたので手伝う。

木の剪定はとても面白いんです。場所によって、また人によって枝の作り方

が違う。例えば兼六園とかは雪の多いところは枝と枝をすかせて、どちらか

というとのびのびとしてゆったりとした感じ。対照的に細々ときれいに枝を這

わせ、風格を漂わせるやり方など。僕が中学生の頃まで500年程生きていた

門被りの松は前者のやり方で、今の庭の松はほとんどが後者。時代によって

も違うようだ。

僕のような素人が数人の人にしか教わらないで頭を決めてたり、変に伸ばし

たりするとただの『木』になってしまう。自分の家に植えた以上、大切に伸ばし

てやったり止めたりしてやらないといけない。中途半端な知識で知ったかぶっ

ていた頃は切ることばっかり考えていたけど、今はなかなか・・・。おかげで考

えることによって多くの人に教わる機会が生まれ、日々成長か・・・?

責任もあるが、やり甲斐もあって面白い。父は木の小さな頃から形作ろうとし

くずれがない。僕は時々ある程度のばしてから形を作る。知識が少ない分、

おかしくもみえるが、頭にイメージを保てれば良くなるし、想像以上になり父と

共に喜ぶこともある。失敗の方が多いが、分かるだけ勉強になっているとい

うことかな・・・。




04 月 28 日(Monday)
 今年は鵜との関係も良く(去年は怒らせてばかりいた。)餌も良く、鵜の体

調はすこぶるいい。少し重いので鵜飼が始まるまでに餌をしぼり、鵜飼の

‘鵜‘に仕上げていく。少し前から減らし始めました。

お客さんと鵜の観覧席でお話しておると鵜がいきなり怒り始めた。その目先

を辿ると、瓦の上でカラスがうろちょろしていた。太ったずうずうしそうなカラス

・・・例のカラス(4/16の日記参照)に間違いない。普段は鵜を怖がってるのか

無関心なのか、まず来ないからだ。しかしよくまああそこの餌が鵜にやるもの

と分かる、とあきれるものの感心した。そういや去年カラスがとんびの真似を

して何度も川の真ん中で、飛びながら足だけを水に入れて魚をとろうとしてい

るのを見た。『やっとるわ』と鼻で笑いながら見ていたら、しつこく10回ほど

・・・本当にやりよった。川でいつもとんびを見つけてはいじめてたしょうもない

カラスだが、その学習能力と行動力には恐れ入った。

 けど、鵜の餌はとらんといてね。


04 月 29 日(Tuesday)
 つばめが数日前から卵を抱き始めた。その旦那だろうか?母屋にかけて

ある物干し竿、2m程しか離れていないのに気にする様子はない。そりゃあ

少し前までは家ん中に巣ー作って人間と一緒に暮らしていたんだから、

そのくらいにはなるだろう。今でももっと田舎の方では、ちゃんと棚が作って

あるだろう。そういうことは本来とても大事なこと。

 毎年つばめが来るのは1つの季節を感じる楽しみだが、去年だけは来ても

巣に入らなかった。次から次へとやってくるもののやはり作らない。秋に思い

出して覗いてみると、なんと孵化しなかった卵があった。次の年は無事新しい

命が生まれるように手を合わせ松の木の根元に埋めてやりました。

 今年は無事に孵りますように!


04 月 30 日(Wednesday)
 今日は数日前から商談の予定が入っておりました。鵜部屋を掃除している

と、・・・・。『e-net』という岐阜市の情報サイトの方で、この手のサービス業の

人との商談は苦手でしたが、遠くから見たところ素朴なおじさん。家と庭の雰

囲気を肌で感じてもらえるよう、少し間をおいて向かいました。最初はおべっ

かかなーと少し遠めで聞いていたが、だてに年はとっていらっしゃらない様子

『話には聞いていたんです・・・小瀬鵜飼。とってもいいと。来る前にいろんな

人に聞いて調べてみたんですが・・・これほどとは。鵜もこんな近くで・・・』

ちょっとにやけてしまうも、礼を申し上げ僕の小瀬鵜飼発展のシナリオを説く

と、あちら様にも受け止めていただき協力していただける了承を得れました。