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  このページでは大手術を施した車を順次掲載していきます。分解時に異常があった箇所についても説明を付けておきます。

   尚、
作業方法については各会社それぞれのノウハウ及び考え方が異なるため、ここに記載したものがすべてではありません。

   注:当社はAlfa Romeo専門店ではありませんので、必ずメーカーの諸元に沿っているとは限りませんが、基本としてマニュアル
     データに基づいて作業を行っています。
     2022/11    ALFA ROMEO GIULIA SUPER 1300cc      岐阜県 S 様
     ENG/OH(ハイカムハイコンプ仕様) ミッション/OH
ALFAのENGは、ヘッド後端の盲栓からOIL滲みが結構あります。この部分はヘッドが暖まっているときに増す締めすればほとんど治りますが、テーパーボルトですから締めすぎるとヘッドにクラックが入る可能性がありますので要注意です。
ENG分解時ヘッドガスケットから2#燃焼室へクーラント進入痕跡有り。その為約0.5mm研削加工して補修。 丁寧に扱われていたようで、クランクの歪みも無く、メタルの当たり面もきれいでしたが、ガスケットからのクーラント進入でジャーナル、ピン部面全体に軽い錆が見られたので、研磨処理で正常に戻した。 不具合箇所及び必須交換部品はすべて交換。280度カムとハイコンプピストンを組み込み。ヘッドパーツはバルブガイド、シートリング交換。バルブはノーマルを使用。バルブSPはハイレートを組み付け。 ハイカム組み付け時には分度器を使用してメーカー指定のデータに沿って組み付け。カムに合いマークはあるが、これは目安程度にしか成らない。
キャブレターも状態は良くなかったのでブラスト処理し、OHした。
カムカバーはオーナーの持ち込み品を組み付け。ラジエターもOH、コアー交換。
サーモスタットは開きっぱなしで固着状態だったので交換。
フライホイールは軽量加工(ご希望があれば無料で実施)注:OH時のみ。 フライホイールのノックピンが1個脱落していたので製作して組み付け。 ミッションもOH実施。
シンクロリングは不具合部のみ交換。このパーツは高価でも実績があるメーカーの物を使用することをお勧め致します。
リバースフォークの先端(写真部分)は、リバース操作の時入らないからといって力んで操作すると結構摩耗します。力まず軽く操作してください。 ミッションリヤーセクションOH完了。 駆動関係不具合部整備。
        2022/6      ALFA  ROMEO  1750  GT Veloce       愛知県 K 様
      事情により18年間、自宅ガレージに眠らせてあったこの車両をレストアーしたいとの事でご来社。
        不具合部をトラブル無く乗れるように本来の姿に戻したいとの事で、それに沿って作業をさせていただきました
この際だから街乗りで楽しめるチューニングENGをとのことで作業開始 写真の様に長年の不動状態で状態はかなり悪い ENGは分解したらこの様な状態だった 他のパーツもすべてひどい汚れで洗浄だけでも大変な労力がいる セクション毎に分けられたパーツ類 クランク曲がり確認後基準値内まで修正
クランクジャーナル、ピン部とも状態は悪くないが、念のためラッピング処理実施。 ピストンは10.5コンプ仕様、ライナーは当然新品に交換。ピストン&ライナークリアランス調整実施。コンロッドナットも新品に交換 ブロックから下回りの組み付け完了。 バルブとピストン間のクリアランスを確認。 ヘッド関係の組み付け完了。
C&B 280度カムの組み込み、
タイミング合わせ完了。

OILパンを組み付ける前に水圧検査を実施してライナー下部からの水漏れが無いか確認後パーツを組み付けてOHが完了。
この後キャブを組み付けベンチにて1時間程稼働させ、油圧、水温、OIL漏れ
点火時期調整異音等の確認をして完成となる。
当社製の軽量クラッチKITを組み付け。スピゴットブッシュも交換してある 整備前の状態。クラッチスレーブ、スターターも要交換状態。 OH前のミッション 前期タイプのミッションは、シフトフォークシャフトの前面がオープンになっているので、このシャフトシールをOH時に交換することを推奨します。 前期タイプのミッションに使用されているリヤーケースのベアリングは異音が出やすいので、OH時には後期タイプのベアリングに交換することをお勧め致します。 後期タイプのベアリングに交換した場合はこのワッシャーの外径を縮小する必要があります。
パーツの組み込みが完了。 OH完了 ENGとミッションのドッキング。この後ベンチチェックで機能確認してから搭載。 OH前のデフの状態 OIL管理が良くない。OILには自己清浄作用があるが、適当な時期に交換しないとこの様な状態になる。
OILは使用状況に合わせて早めの交換をお勧め致します。
ALFAのデフリングギヤのベアリングプリロードとピニオンとのバックラッシュ調整は、左右のベアリングアウターレースとケースの間に有るシムを入れ替えて調整する事になるので、シム交換時には毎回アウターレース左右のケースを加熱膨張させて脱着することが必要になります。その為大変時間が掛かる作業となります。
ピニオンギヤープリロードシム調整完了。 デフOH完了 ENG搭載完了。
走行テストでENGのレスポンスの良さに本人はにんまり!。

オルタネーター充電量測定。 クラッチペタルシャフト折損。 クラッチペタルシャフト補修1。
クラッチペタルシャフト補21。 クラッチペタルシャフト補修3。 クラッチペタルシャフト補修4。 ENGルーム塗装、パーツ組み戻し完了。 パーツ塗装 クロスジョイント交換
     2021/2         Alfa 1300 GT Junior 1300    フルレストア          愛知県 T 様
     約20年間ガレージで保管されていた車両を復活させたいとのご依頼で整備させていただきました。
仕事の関係で乗れなくなり約20年間ガレージで保管されていたが、時期が来たため乗り出せるよう整備を兼ねたレストアの御依頼。
駆動系ではミッション、デフを除きすべての作業実施。
タイミングチェーンが伸びると写真のようになる。カムカバー上面裏側もこのようになる。ENGを吹かしてスロットルを戻したときにカラカラと異音が出ていたらテンショナーの調整をしなければいけません。 LLCの交換時期が永いと写真のようにスラッジが出来ブロック内に堆積する。ひどいと写真のようにドレン部分が埋まりクーラントが抜けなくなるし、スタッドボルトの根元が腐食して細くなり締め付けで折損することになる。 ENG/OHが完成。完成後写真の様に水圧検査を実施し各部の水漏れが無いか確認後ベンチチェックを約2時間ほどを行い、OIL漏れ点検、キャブ調整、点火時期調整実施。 ENG搭載、ENGルーム内の補機類なども不良箇所は交換又は補修、改造で完成。 ノーマルENGにOILクーラーは不要。オーバークールになる可能性があり、今回取り外した
ボディーは、アルファに限らず旧車の泣き所です。定番のジャッキアップポイントはFが左右共NG。サイドシルまで補修実施。リヤーの右もフロアーが同じ状態でパネル張り替えを実施。 サイドシルは、腐食部分のすべてを削除、その後、インナー、センターパネル製作、交換。その後フロアー貼り付け後、ジャッキアップポイントの組み付け実施。 アウターパネルの塗装の膨らみをこすったら、写真のように穴が開き中から新聞紙が出てきた。腐食して穴が開いた箇所をごまかしで新聞紙を詰めその上からパテを盛り付け成形して塗装してあった、悪質業者の仕業だ。 左側フロアーサイドシルも同じ状態、右よりもじょうたいは悪い。右側と同様切り接ぎ補修実施。 パネル張り替え後、コーキングを実施してサフエサー塗装。 防振マットの貼り付け完了。
バッテリートレイも台座が腐食でグラグラだったので取り外し、ベースを製作して脱着式に改造、こうすることによって、オルタやOILフィルター交換時に取り外せば作業がしやすくなります。 ドアーヒンジ調整用のシムを製作。 ヒューズBOXの状態はこんな状態の車が多い。端子の導通不良で電気系統に不具合が出る。端子の清掃、面研磨で正常に戻す。 STギヤーBOXは、ボルト穴からのクラックが数カ所有り、補修実施、セクターシャフトブッシュの過大摩耗があり、製作交換。下部シールは初期のOリングタイプから後期型のオイルシールタイプに改造。 内装も各部張り替え、トランク内マット、フロアーマット、センタートンネルマット交換、天井、ダッシュパネルクラック3箇所補修。 サスペンションはすべてOH。Fサスは塗装を剥離して再塗装実施。ブレーキもすべてOH。最後にアライメント調整を実施して完成となりました。
タイヤ/ホイールもGTAタイプに交換(写真は旧ホイール)。
     2021/9            Alfa Romeo Spider Duetto  レストア & ENG Tune-up          愛知県 K氏
     不具合部を気持ちよく乗れるようにしてほしいとのご依頼
 過去に数台このような状態のリフターを見たことがあるが、許容範囲を逸脱した使用による物と思われる。おそらくシフトダウンで回転数の調整が出来なくてオーバーレブの多発が原因では無いかと考えている。 組み付け時に叩き込んだ痕跡がある。
分解、清掃後にライナーとブロックの嵌合い具合を確認していれば叩き込むことはしなくてすむはず。
 油温が一定になったところで油圧が低い場合は、ギヤーのバックラッシュが多くて圧送量が少なくなることで油圧が上がらなくなる。
それ以外にはメタルの摩耗過大も考えられる
 デスビーのドライブ側嵌め合い溝は偏心している為、最初にOリングを組み込まずにデスビーを差し込み正常位置まで下がらなければ、ローターシャフトを180度回転させて軽く入る位置を確認してから組み付けます。 過去のクーラント管理が悪い、クーラントメーカーの指定は毎年交換を推奨しています。
当社では車検毎の交換を推奨しています。
 オーバートルクだとこうなります。トルク管理は大切です。
 
 
 
 
 
 
 電気配線の変更でENGルームにはリレーが新設されてライト廻りの配線は太くなっていた。オリジナルに戻してほしいとのことで作業を進めると写真のような状態だった。旧車の電気不良は、ほとんどがアース不良。基本を守ることが不必要な作業をしなくてもすむようになる。  結局すべてのソケット廻りの導通調整実施、ENGルーム内の改造配線、リレー等すべて撤去しオリジナルに戻した。
オリジナルを維持する作業は以外に時間が掛かるが、作業時に思わぬ箇所の異常が見つかるときが多い。
 ENGチューンナップ完了。ベンチ慣らし異常無し。慣らし3.000km
間近でeng焼き付き。
分解したら4番ピストンは右写真の状態。
ユーザーの話では、走行を開始しておよそ30分後には回転が重くなる。1時間後には吹けなくなる。休憩すると良くなるとの事。
 とにかくピストンを交換し、不具合部を補修して復元する。回転を上げて走行すると以前と同じ状態になるとのことで再度入庫。ENGを分解点検するもすべて正常。ENG以外の原因が考えられるので、燃料ポンプ、電気関係すべて異常無し。燃料タンク内部もOK。  ふと見るとタンクが改造してある。よく見るとブリーザーの取り出し口が無い。原因はこれでした。ポンプが燃料を汲んでもタンク内に空気が入らなければ負圧になり、燃料は供給されない。改造した人の顔が見てみたい!  オーバーヒートに悩んでいるとのことでラジエター前後にシュラウド製作取付。
今年の真夏、最高気温時に高速道路、市内を含め約1時間強走行テストしたが、計器上で90度以上は上がらないようになった。
    2020/8          Alfa Romeo Junior Zagato  レストア & ENG/OH       岐阜県 I氏
    ENG不調、その他整備

回転部分のバランスは重要です。
バランスが狂うと異常振動が発生し、振動による共振で、各部のねじ部が緩む場合もあります。

OIL管理が良くない状態です

走行距離で管理するのでは無く期間で管理することをお勧めします。

クーラントでは無く水が入れてあったのでしょうか?

ネジ部にスラッジが堆積しています。トルクレンチを使用してもスラッジの抵抗で規定のトルクが掛からないかもしれません当社では。ネジ部はダイスでさらえてから作業します。

クランクの捻れはクランク後部からの逆入力で曲がります。シフトダウン時の車速とシフトダウンギヤー位置に合わせた回転数にしないで急激にクラッチを繋ぐと後輪からの過大な負荷がクランクに掛かります。タイミングチェーンも伸びます。分解時にカムカバー裏面、フロントカバーEX側内面にチェーンによる削れが見られるENGが多くあります。

タイミングチェーンのコマ数が1個多いのが組み付けてありました。


注:
マニュアルミッション車のシフトダウン操作ではヒールアンドトゥー操作が必須です。これができないと最悪ENGを壊します。出来ない人は最初は低速で練習してください。
プラグの締め付けは簡単そうで難しいです。
オーバートルクはネジ山を痛めます。普通は手でプラグのワッシャーがヘッド面に当たるところまで締め、それからレンチで45度強〜90度弱までの間で締めます。(新品プラグ時)
2回目以降の脱着時は、シールワッシャーが潰れてしまわないよう、45度以内で締め付けをしています。
フライホイールは当社製軽量クラッチを組み付けました。 ENGのOHが完成。オイルパンを組み付ける前に水を入れて水圧検査を実施しています。ウエットライナーでは必須の作業になります。
この後ベンチチェックで1時間から2時間ほど回して点火時期、キャブの基本調整を実施します。
旧車のキャブレターはかなり汚れています。各パーツの清掃、研磨、導通検査をしてから組み付けます。 この箇所はミッションのアウトプットシャフトと連結する部分です。ここにガタが有ると振動、異音が発生します。錆びて無くても洗浄して内部を手で触り、段付き摩耗があれば交換となります。 ブレーキパットの交換時期は、写真のパットを押さえる縦の幅が広いプレートにパットのアウタープレートが近くなったら交換時期です。基本的には新品の半分で交換するのが理想です。